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アメリカ LGBT ムーブメント 1969-2016 そしてこれから

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6月最後の週末に、全米各地で LGBT のシンボルのレインボーフラッグがはためくPRIDEイベントが開催された。LGBTコミュニティーと彼らをサポートする家族連れなどが仮装をしてパレードをしたり、コンサートやダンスがあったりのお祭り騒ぎの賑やかなシーンが各地で繰り広げられた。NYCで開催されたPRIDEマーチには32000人が参加し(ヒラリー・クリントンも参加)、世界一の規模のイベントになったという。その様子だけを眺めていると、のびのびと皆が自由を謳歌しているように見える。しかし、LGBTの歴史もまた、アメリカにはびこる人種差別のように、陽気にパレードができるまでには長年の差別と苦労があった。

今日は、アメリカのLGBTムーブメントの歴史について学んでみたい。

LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーのことをいう。(最近では、LGBTQともいう。Q=Queer/Questioning individuals. LGBTのどれともいいきれない、自分の性のアイデンティティーが確立されてない人たちのことを含むいいかた。)PRIDEとはLGBTの人々が自己の性的指向やアイデンティティーに誇りを持とうといったメッセージのこもったLGBTムーブメントを総括する言葉だ。PRIDEムーブメントは世界中に広まり、世界各地でLGBTをサポートするコミュニティーが築かれている。日本でもTokyo Rainbow Parade と称してイベントが開催されている。

6月最後の日曜日にNYCで開催されたPRIDEイベントは、今年で46回目。そして世界最大規模となったこのNYCの PRIDEイベントこそが、アメリカLGBTムーブメントの歴史と共にあるといえる。

PRIDE第1回イベントは、1970年6月にNYCで開催された。それは、今のような賑やかなお祭り騒ぎではなかった。グリニッジビレッジのゲイバー、Stonewall Inn (ストンウォール・イン)で起きた暴動の1周年を記念してのデモ行進だった。ゲイだとバーでお酒を出してもらえない、そんな時代だった。だからストーンウォール・インは、LGBTたちの心のよりどころだった。しかし警察は、この店に目をつけて摘発をくりかえしていた。

1969年6月28日、この日も警察がやってきた。しかし、客たちは、これ以上差別的な扱いは耐えられない ! と結束し警察官たちに対し暴動を起こした。 これが、Stonewall Riot(ストーンウォールの反乱)と呼ばれ、LGBTムーブメントの発端といわれている。 暴力的な出来事ではあったが、LGBTの人々の間にコミュニティー意識が生まれ、集団で自分たちも平等な権利を、尊厳(PRIDE)を、手に入れようと結束して活動していくようになったのだ。そして翌年の1970年から毎年6月にストーンウォールの反乱を記念して集会が行われるようになり、それが今日世界中で開催されているPRIDEイベントへと発展していったのだ。

今までひとりで悩んでいたLGBTがつながっていった。
黒人たちが人種差別と戦っていたように、LGBTたちも集団で自分たちの権利を勝ち取るためにアクションを起こし始めたのだ。

人種差別も性的志向に対する差別も存在したアメリカ。
1952年には、 The American Psychiatric Association (アメリカ精神医学会)は、ホモセクシュアリティーを精神障害と認定。1953年には、時のアイゼンハワー大統領は、セキュリティー・リスクを理由に連邦政府施設でのゲイ雇用を禁止した。

そんな差別を、抑圧を、間違ったレッテルを、ひとつひとつ剝ぎ落していったLGBTムーブメント。

1973年には、アメリカ精神医学会にホモセクシュアリティーは精神障害ではないと認めさせ、今までの記述を削除させた。

1979年には、全米中からLGBTと LGBTサポーター約75000人がワシントンD.C.に集まり、「同性愛者の権利を求めるワシントン大行進」が行われ、LGBTの問題は国レベルで取り組むべき重要課題と認識されるようになった。
そして1982年ウィスコンシン州が全米初、性的志向による差別を禁じた。しかし、1980年代は再び試練の時だった。AIDSが流行し、「ゲイが死に至る病気」と世の中を騒がせた。多くの同性愛者が亡くなった。AIDS撲滅を掲げた新たな活動が始まり、著名人のサポートも得られるようになった。同性愛についての理解は高まっていたが 1993年には、軍隊内での同性愛を禁止する「Don’t Ask, Don’t Tell(聞かない、言わない)」と称される法律が可決。20111年まで施行された。山あり谷あり、賛否両論大きく分かれるLGBT問題。LGBTの詳しいタイムラインはこちら

2000年にはバーモント州が全米初の「Civil Union(シビル・ユニオン」を認め、同性愛のカップルも一般の夫婦と同等の利益と保護を受けられるようになった。
2004年にはマサチューセツ州が全米初の同性婚を認めた。

初の黒人大統領が誕生し、アメリカのマイノリティー、社会的弱者たちは”Change”を期待した。 州ごとに異なる同性愛者に対する待遇。大いなる前進は見られたが、非同性愛者と平等な権利を享受するには至っていなかった。

Big Changeは2015年にやってきた。
201年6月26日、アメリカの連邦最高裁判所は、同性婚を憲法上の権利として認めた。当時13の州が同性婚を認めていなかったが、 これでアメリカ中どこでも自由に同性婚ができるようになったのだ。ストンウオールの反乱から46年後の快挙だった。

そして1年後の2016年6月26日、オバマ大統領はLGBTコミュニティーに大きなプレゼントを残した。 LGBTムーブメントの発祥の地とされているストーンウォール・インとその一帯をNational Monument (ナショナルモニュメント:国定史跡)に指定したのだ。差別に耐え兼ね、警察官に対し暴動を起こしたその場所がLGBTムーブメント発祥の地として、自由の女神や、グランドキャニオンと同じように文化遺産としてのステータスが認められたのだ。

Announcing the Stonewall National Monument
(
オバマ大統領がその意義を自ら語っています)

“The riots became protests, The protests became a movement. The movement ultimately became an integral part of America.”

オバマ大統領は言う。
“「反乱」は「抗議活動」になり、「抗議活動」は、「ムーブメント」に進化し、「ムーブメント」は、アメリカの一部としてかかせないものになった” 

LGBTムーブメントの歴史において、最高のPRIDEとなる出来事だ。

ワシントンポストによると、2016年今日でも10ヵ国で同性愛行為は死刑。
65ヵ国で同性愛行為は犯罪。
アメリカのLGBTムーブメントのように集団の力で平等な権利を手にしていけるだろうか。

耐え忍ぶのをやめ、1969年から始まったアメリカのLGBTムーブメント。
大きな功績は手に入れたが、昨年同性婚が認められて以来、LGBTのトイレの利用を規制するなどLGBTの権利を制限しようとする州が増えているという。

これからも山あり谷あり。
そして、ひとつひとつの山を、谷を、結束して乗り越えていくであろうLGBTムーブメントを見守ってみよう。

LGBTのPRIDEパワーを世界へ!
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