The Voicers Report は、世界各地で活躍する10人のゴーゲッターで構成された The Voicers が各々の活躍の現場から情報発信をしていきます。今回は、リーダーシップとイノベーションを説く元外交官の経営者、山中俊之さんです。
「日本のメディアではどうしても日本のニュースが中心になってしまう。でも、海外の情報を収集したいけど、英語のニュースを読んだり聞いたりするのは辛い」
という人は多いのではないでしょうか。
私は、日本メディアのみから情報収集していると、視点が日本中心になって、世界のことが分からなくなると確信しています。
なぜでしょうか。
まず、そもそも日本メディアには、海外のニュース自体が多くありません。
新聞でも、テレビでも、ネットでも、ニュースの多くは国内のニュースです。
全国紙でも、純粋の海外のみを扱っているのは、1面の一部の記事を除き、国際面の2ページ程度です。
全国紙は、広告やテレビ欄も含めてですが、35-40ページほどあるので、全体の1割以下でしょう。
70億人の世界の中で1億人余りの日本のニュースが9割を占めている、大変にバランスが悪いのです。
また、仮に海外に関する記事であっても、日本目線で書かれていることです。
例えば、日本企業が関わるM&Aであれば大きく扱われても、外国企業同士であれば、たとえ10兆円といった世界が注目する超巨大案件であっても扱いは大きくありません。
また、米国や近隣アジア、欧州主要国の記事は比較的大きく扱われますが、その他の地域は扱いが小さいことです。
アフリカや中南米の記事がどれだけ報道されているか思い出してみてください。
さらに、そもそもメディアは注目されるセンセーショナルな記事を扱うので、事件や事故、特殊なスキャンダルを大きく扱い勝ちです。
メディアも、「売れてなんぼのもん」ですから、重要ではあっても地味なニュースは大きく扱いません。
以上のような理由により、日本メディアからのみ情報収集していると世界のことが分からなくなるのです。
では、一体どうすればよいのでしょうか。
私が普段実践しているものの中で、英語力があまりなくても可能であり、効果的なものをいくつか上げたいと思います。
わたしの一日は、毎朝海外のニュースを吸収することから始まります
外国メディアの日本語版からの情報収集を増やす
第1に、外国メディアの日本語版からの情報収集を増やすことです。
無料の日本語版が充実している「Reuter(ロイター)」と「Bloomberg(ブルームバーグ)」がお勧めであります。
いずれも、金融をはじめとしたマーケット情報に注力していますが、政治やマクロ経済情勢についても、日本メディアからは見られない視点での記事も多くあります。
また、アジア地域の経済ビジネスニュースとしては、「NNA ASIA」がお勧めです。
自分の関心の高い又は重要と考える特定の世界のテーマについて、ニュースサイトに新たな項目だしをしたり、RSSを使って送信してもらう
第2に、自分の関心の高い又は重要と考える特定の世界のテーマについて、ニュースサイトに新たな項目だしをしたり、RSSを使って送信してもらうことです。
私の場合は、Googleニュースの右上のカスタマイズ機能を使って、「グローバル」「アフリカ」「テクノロジー」「IoT」などのキーワードで新たな項目だしをしています。
その結果、例えば、グローバル人材育成に関するニュースやアフリカに関するニュースを頻繁に目にすることになる。
何か1つは自腹を切って、定期的に海外ニュースを手に入れる仕組みを作るべき
第3に、何か1つは自腹を切って、定期的に海外ニュースを手に入れる仕組みを作るべきです。
例えば、CNNやBBCであれば、契約の方法によるが月額1000円ほどで24時間視聴が可能です。
今は日本語での同時通訳がついているので英語が分からなくても大丈夫です(ちなみに私はニュアンスや英語での正確な表現を知りたいので英語で両方とも視聴しています)。
雑誌で何か一つというのであれば、「NEWSWEEK」日本語版が、手軽さと内容のレベルの高さでお勧めです。
外国の映画をたくさん見る
第4に、外国の映画をたくさん見ることです。
最近は、邦画の人気が高く、興行収入も多い傾向にあるようですが、外国の文化、歴史、人々の考え方を手っ取り早く知るには、映画は大変にお勧めです。
よく上映されているハリウッド映画もよいのですが、世界を知るために私が推薦するのは「シネリーブル」系の世界各国・地域の社会問題や人間を扱った映画、飛行機に乗っている時に見る(日本国内では上映はされいない)世界各国の映画などです。
インドの州による言語や民族の相違は、インド映画を見ることで実感できます。
米国の人種問題など日本人が弱いテーマも、キング牧師を描いた映画「グローリーー明日への行進―」やホワイトハウスで大統領に仕えた黒人執事の半生を描いた「大統領の執事の涙」を見ることでよくわかります(脚色はあるのでしょうが)。
私が一番お伝えしたいのは、日本メディアは実に日本目線になっているので、日本メディアからの情報収集では極めて偏ってしまうということ。
ビジネスパーソンとしては、死を意味すると言ってよいでしょう。
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