動画学習やeラーニングに取り組もうと考えたとき、本当に効果的なのか気になりますよね。
実は、動画学習の学習効果について研究した論文が発表されていました!
研究の結果、動画学習に効果は認められましたが、同時に体への負担も見られたそうです。
その研究結果について解説していきましょう。
動画学習・eラーニングの学習効果と負担に関する研究の概要
この研究の正式名称は、「マルチメディアを利用した学習支援システムの学習の効果と負担に関する研究」(本多薫・山形大学人文学部・2000年)。
その概要は以下の通りです。
これまでの学習支援システムの学習の効果に関する研究としては、「楽しんで学習できる」「興味・意欲がわく」など学習意欲が向上すると報告されている(井町・安村1996)。また、学習者に対する負担に関しては、肩や腰の痛みや目の疲労などが報告されている(村田厚生1998,槻橋・小松原1991)。
しかし、同一の学習内容を取り上げ、マルチメディアを利用した学習と書籍などを用いたテキスト学習を比較して、学習の効果と学習者に対する負担を検討した研究は少ない。
そこで本研究では、同一の学習内容において学習支援システムを使用した学習と、テキストを使用した学習を実施し両者を比較することから、マルチメディアを利用した学習の効果と学習者に対する負担を検討することを目的とする。
マルチメディアを利用した学習は、学習意欲が向上すると捉えられていたものの、その効果と学習者に対する負担に関する研究は今までなかったので、今回の実験が行われたんですね。
試験的に構築されたのは、テキストと音声による学習システム。
題材は「生産管理の概要について」でした。
このシステムを使って男子学生6名が学習し、テキストのみで勉強した他の男子学生6名の学習結果・身体への負担と比較されました。
動画学習・eラーニングの学習効果と負担に関する研究結果は?
学習期間終了後に全3章にわたるテストを実施したところ、第1章、第2章において、システム学習者の正答率が明らかに高くなりました。
また、学習内容を理解できたかどうかの自己評価も、すべての章においてシステム学習者の方が高かったそうです。
演習問題の正答率および理解度の自己評価から、テキスト学習よりもシステム学習による学習の方が、知識獲得に効果的であると考えられる。
これまでの学習効果に関する研究では、画像と音声を併用した方が、画像のみよりも残存記憶が大きく学習効果が高いと報告されている(本多1998)。このことからも音声による解説は、残存記憶が大きく学習の要点を明確にすることから、学習に効果的であると考えられる。
また、テキストでは、流れ図で学習していた概要説明(生産管理活動の流れ、工程管理の手順、作業改善の手順)をビデオ映像による学習に変えたことにより、初めて生産管理を学ぶ者にとっては、概要が把握しやすく、学習効果が高いと考えられる。
この実験結果から、テキストだけの学習よりも、音声を使ったシステム学習の方が知識の獲得に効果的であるとわかりました。
また、画像のみで学習するよりも、画像と音声を併用した方が記憶に残りやすいとの研究結果もあるそうです。
文字だけでなく、音声や画像からも知識を取れ入れることが大切なんですね!
動画学習・eラーニングの体への負担は?
今回の実験結果では、有意差は認められなかったが、テキスト学習よりもシステム学習の方が常に学習中の心拍数が高い傾向がみられ、システム学習の方が学習者への負担が大きいと考えられる。
システムを使って学習したとき、体への負担は大きいのでしょうか?
全員の心拍数の変化率を測ったところ、システム学習者の方が学習開始30分後の心拍数が15%前後増加したそうです。
大差は見られませんでしたが、システム学習の方が身体的な負担が若干大きいようですね。
また、フリッカー値という数値も使って、体への負担が検証されました。
フリッカー値は、疲労の蓄積とともに減少する傾向があります。
今回のテストで全員のフリッカー値を測ったところ、学習時間が120分を超えたところで、システム学習者のフリッカー値が大きく下がりました。
システムによる学習はディスプレイを凝視する必要があるため、それが疲労につながったと考えられています。
動画学習は一回当たり120分以内におさめる、合間に休憩を取るなどの工夫をすると良さそうですね。
動画学習・eラーニングは効果あり!合間の休憩も大切
今回の研究で、動画学習・eラーニングなどのマルチメディア学習に、一定の効果があることがわかりました。
しかし体への負担も若干見られました。
とくに120分を超えると疲労が大きく増えるため、合間に休憩するなどの工夫も大切でしょう。
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