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女性の地位向上のために活動 ヘレン・バンクハースト

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The Voicers Report は、世界各地で活躍する10人のゴーゲッターで構成された The Voicers が各々の活躍の現場から情報発信をしていきます。 今回は、日英バイリンガル・ジャーナリストの庄司かおりさんです。   ヘレン・パンクハーストさんは英国では畏怖と尊厳を持って語られるパンクハースト家の4代目です。 ヘレンさんの曽祖母はイギリスの女性参政運動のゴッド・マザー的存在、エメリーン・パンクハースト。 1900年代初頭、エメリーンは当時の保守派政府かの 度重なる弾圧に屈せず、イギリス人女性全員に参政と投票の権利を勝ち取るため、日夜奔走していました。 以来、パンクハースト一家の娘たちは代々、活動家。 現在ヘレンさんは勿論、彼女の長女も女性の権利と地位の向上のため世界中で活動を続けています。

映画「未来を花束にして」

2016年末にヘレンさんが来日しました。 女性の地位向上や参政についてのレクチャー、イベントなどに参加した他、彼女が制作段階で大きく関わった ”Suffragette (邦題:「未来を花束にして」)という映画のプロモーションも行っていました。
『未来を花束にして』TOHOシネマズ シャンテほか全国公開中 © Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2015. All rights reserved.
“It’s actually pretty wonderful to see your own great grandmother in a movie,” said Helen. In the movie, that role is played by Meryl Streep, a fact that may be described as providential when you consider her speech at the Golden Globe Awards in early January. 「自分のひいおばあちゃんが映画で描かれていてそれを見ることができるのはとても素晴らしいわ。」来日時のヘレンさんの言葉です。 エメリーンの役はアメリカきっての大女優メリル・ストリープが演じていますが今年の一月、ゴールデン・グローブ授賞式の席でストリープのスピーチを考えると運命的ともいえる配役でした。 というのは、ストリープのスピーチの内容は現アメリカ大統領を痛烈に批判したもの。 映画の中で貧しいワーキング・クラスの女性たちを前に「立ち上がりましょう、政府と戦いましょう!」と呼びかける姿とそっくり重なります。 当時のイギリスにおいて参政権を持つ女性は貴族階級の土地保有者でなければ、という制約がありました。 女性の殆どは安い日雇い労働に甘んじ、男性の庇護のもとで生きていくしかなかったのです。 そのシステムを変えるには是非とも女性に投票の権利が与えられ、自分たちの声を具体的に政策化することが必須でした。 その夢がようやく実現したのが1928年。 そして今、イギリスでは史上二人目の女性首相が政治の舵取りをしています。 “The world is still mirrored with a very male gaze,” said Helen. “And the whole industry is very male-dominated. It was so difficult getting the funds for this movie, and even more difficult to get male actors willing to work in it. They read the script and said, ‘no, my part’s not big enough.’ But look at what women actresses have had to endure for so long!” 「世界はまだまだ男性の視点で動いているわ」とヘレン。 「それに映画業界というのは明からさまな男社会。この映画の制作費を集めるのはとても難しかったし、俳優を集めるのも一苦労だった。みんな脚本を読んで “オレの役が小さすぎる”って文句を言っていたの。でも今まで女優が耐えてきたことを見て欲しいわ。」

ハリウッドと女性問題

去年ハリウッドで作られた映画の中で女性問題を扱ったり女性中心にストーリーが展開されたものは全体の26%。 それでも今までに比べて躍進的な数字なのだとか。 大統領キャンペーンとヒラリー・クリントンの奮闘が反映したと言われています。 女性が随分と厚遇されているように見えるアメリカでも賃金格差や女性の病気(乳ガンや子宮ガンなど)にかかる膨大な医療費、育児や次世代教育の負担の殆どが女性にかかってくるなど、問題は山のようにあります。 それでも女性の声に耳を傾ける女性政治家がいるということが、大切なのだとヘレンさんは言っていました。 “In terms of women in politics, Japan ranks 61st in the world,” Helen said. “But Japanese women got the vote in 1946, and that’s less than 20 years after Britian. And now Tokyo has a woman governor who is very visible in trying to change things. This is a society where women have the power to change how things are done.” ヘレンさんが言うには「日本の女性政治家の数は世界のなかで61位。でも日本の女性が投票権を獲得したのは1946年でそれはイギリスの20年後足らず。今や東京には女性都知事がいてこの都市のやりかたを変えようとしているわ。日本の社会で女性は物事を変える力を持っています。」 女性が投票権を持つ。 極あたりまえのことに思えて実はその背景には長い戦いと犠牲の歴史があります。 ちなみに去年末、サウジ・アラビアではやっとそれが実現しました。 せっかく与えられた投票権、次の選挙でつかってみませんか。
 
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